書籍

なんしょんな!!香川・PARTT
なんしょんな!!香川・PARTT
「行政の役割」水は誰のものか/人の渡らぬ橋、車の走らぬ道/広い家 他
1,200円(税込み)
有料会員のみ閲覧できます
なんしょんな!!香川・PARTU
なんしょんな!!香川・PARTU
「高齢者対策の処方箋」
1,200円(税込み)
有料会員のみ閲覧できます
なんしょんな!!香川・PARTV
なんしょんな!!香川・PARTV
「教育の危機」学校教育の危機/崩壊する家庭教育/的外れの企業内教育
1,200円+税
有料会員のみ閲覧できます
なんしょんな!!香川・Q&A BOOK
なんしょんな!!香川・Q&A BOOK
「Q&A」行政の役割/水問題/交通問題/時事
800円(税込み)
なんしょんな!!香川・Q&A BOOKU
なんしょんな!!香川・Q&A BOOKU
この本は、都村長生氏の政経塾「長生塾」とそのホームページに寄せられた質問に対し、都村氏が答えた内容をまとめたものです
800円+税
なんしょんな!!香川・Q&A BOOKV
なんしょんな!!香川・Q&A BOOKV
この本は、当ホームページに寄せられた質問に対し、都村氏が答えた内容をまとめたものです。
100円+税
なんしょんな!!香川・Q&A BOOKW
なんしょんな!!香川・Q&A BOOKW
この本は、当ホームページに寄せられた質問(2003年5月〜2007年3月)に対し、都村氏が答えた内容をまとめたものです。
100円+税
なんしょんな!!香川・Q&A BOOKX
なんしょんな!!香川・Q&A BOOKX
この本は、当ホームページに寄せられた質問(2007年5月〜2008年12月)に対し、都村氏が答えた内容をまとめたものです。
100円+税

POST長生塾スタートのお知らせ

なんしょんな Q&A詳細

  • 【101】 年金記録問題の解決法(2007.7) (高松市・会社経営者)
    年金記録の混乱が発覚して大問題になっています。これをどう収拾するのか、責任は誰がどうとるのか等、自分なりにいろいろ考えてみるのですが、原理原則論のところでどうもうまく整理がつきません。考え方の指針をご教示下さい。
  •  社会保険庁が年金記録のずさんな管理をして、5000万件が宙に浮いてしまったという事件ですね。そのうち1500万件くらいがすでに年金を受給している高齢者で、あとの3500万件くらいがこれから受給資格を得る人たちだそうですが、原因を聞くと信じられないほどいい加減な話です。しかし、年金制度全体が抱えている問題から見てみると、実はそれほど大した問題ではない。もっととてつもなく大きな問題が後ろに控えていて、それが出てくるとみんな目の玉がひっくり返るのではないか、というのが私の意見です。では、年金制度が抱えているいくつかの問題について、それぞれの問題の大きさをわかりやすくするために「それを解決するのにいくらお金がかかるのか?」という指標で一つずつ見ていき、その後で解決策を提示しましょう。

    年金記録事件の解決は「数兆円」規模の問題

     まず、年金記録の管理ミスの話です。これを正常に戻すためには、どれくらいのお金がかかるのか? 宙に浮いた5000万件のうち、これから受給資格を得る人たちの3500万件分はいずれ支給するはずのお金(元々今後の支給計画に入っているお金)ですから、年金財政的には損得はありません。従って、今受給している人たちのうちの記録が飛んでしまった1500万件について、もらい損ねている分を新たに補填支給する額が、正常に戻すために必要になる追加のお金です。しかし、実際に真実は誰にもわかりませんから、仮に「もし神様がいて、捨ててしまった入力データを全て知ることができたら…」と考えてみましょう。その際に修正して支払わねばならない額が、必要な理論値でしょう。これはおそらく将来の分も含めて数兆円(1兆円とか2兆円)で片づく話だと思います。国の年間予算が50兆円くらいですから、この財政難の時にとても笑って済ませる規模ではないことはわかります。

     では、今もめている対処の仕方について、どうすればいいのかを考えてみましょう。私がいつも言っているように、これもビジネスで考えてみればすぐわかることです。例えば皆さんが銀行に毎月積立預金をしているとしましょう。ある日突然、その銀行のデータベースがパンクして、積立預金の記録がなくなってしまった。データは完全に消えてしまって、誰が積み立てしていたかもわからなくなってしまった。損害補償すればいくらかかるか…倒産してしまいそうだ。その時に銀行はどうするかという話と考えればわかりやすい。

     まず、銀行が客に対して「積立をしていた証拠を持ってこい」と言うのはどう考えても理不尽な話ですね。かといって、「私も積立をしていた」と言ってきた人全員に払っていたら、嘘をついて請求する人も出てきて収拾がつかなくなってしまう。また、そんな高額は負担しきれず、つぶれてしまう。こんな時は、打つ手は2つしかありません。第1は、「ごめんなさい」と謝って明白な証拠のある人以外は支払いを打ち切る。第2は、申請した全員に無条件で支払う。このどちらかです。この際に絶対とってはならない策があります。それは第3の、審査をしてその結果に応じて支払うという選択肢です。これをやると火に油を注ぐように大混乱となるからです。まず私だったら、このケースの被害の額と質の悪さから判断して、第1の方法をとります。なぜか? 客は当然怒るでしょうが他に打つ手がないのですから、銀行を倒産させてお金が返ってこないか、そんな銀行に預けた方が悪いとあきらめて銀行を持続させ、他の預金を保全するかの選択肢しかありません。倒産して他の預金までパーになるよりは、あきらめる方がましだと考えるしかない。

     一方、そんな大きな事件を起こしてしまったら担当者はもとより、頭取をはじめとする経営陣は当然全員責任をとって辞職です。さらに、商法上の何かの犯罪になって刑務所に行くことになる可能性も大でしょう。

     今回の社会保険庁の事件も原理原則は同じことです。まず、第2の方法はなぜダメなのか? 申請してきた人全員に払っていたら、例えば暴力団が嘘をついて「年金を払っていた」と言ってきても払わないといけない。結局、年金を払ってない人もみんな認めて支給することになります。それはもう「年金」とは呼べない。「全国民の老後は税金で面倒を見ます」とかいう別の制度になってしまいます。しかしそんなことをすると国庫があっという間にパンクしてしまうからとてもできない。

     また、第三者委員会を作って審査すると言うのは一見合理的に見えますが、最悪の事態となるでしょう。データベースがないのに審査のしようがありません。神様でもない限り無理です。「この人は嘘をついている、この人は嘘をついていない」などということを第三者委員会が判断できるはずがないし、もし仮にそれを判断して、判断された個人がそれに納得できずに各人が訴訟を起こしたらどうします? 収拾がつかなくなるのは目に見えています。また、結局はほとんど全員認めざるを得なくなり、パンクしてしまうことになるでしょう。従って、確実な証拠で年金を払ったと立証できる人以外には「ごめんなさい、払えません」と謝って打ち切るしかない、というのが私の意見です。

     当然責任はとらせます。この事件に関与した公務員は全員クビです。退職金もなし。責任のある立場の者は刑事訴訟されて、有罪になれば刑務所行き。そして安倍内閣は当然総辞職です。この事件の責任については今、総理大臣が悪いとか厚生大臣が悪いとか社会保険庁長官が悪いとか労働組合が悪いとか、百家争鳴です。例えばずさんな管理が行われていた当時の担当大臣の菅直人が悪いとか、さらに前の小泉純一郎から悪いとか、いわゆる「責任のキャッチボール」が行われて見苦しいこと限りがない。そんなのは全員が悪いのに決まっています。関与した公務員も責任のある立場の上司も、監督責任のある役人も総理も議員も、労働組合の担当者も委員長も全員、責任をとって辞めるか、罪に問われれば刑務所に行くのです。アメリカで同じことが起こったなら、おそらく数百人が刑務所に行くことになります。詐欺に近いことをやって被害者が出ているのですから当然です。先の銀行の話でも、ミスをした担当者は当然クビでしょうが、上司も全員責任をとり、最後は頭取が辞めるのです。責任とはそういうものです。だから被害者も皆、納得するのです。それをボーナスをちょっと自主返上して済ませようと言うのは、総理から平の職員まで責任に対する自覚がまったく欠如しているとしか言いようがありません。これだけズレている内閣も珍しい。

     もう一つひどいのは、あまり俎上に上がりませんが、システムを作った会社(NTTデータ)です。普通、システムプロジェクトを請け負ったら、納入前に必ずデバッギング("虫"探し)をやるのです。実際にデータをインプットさせてみたら、例えば「都村」でしたら「ツムラ」とか「トムラ」とか「ミヤコムラ」とかいろいろな読み方が出てくる。そういった、考えられる限りの不都合をクリアして間違えずにインプットする仕組みまでを含んだシステムにして納品するのが、この種のビジネスの常識です。今回出てきた不都合から言えば、ふりがなのない名前は絶対に受け付けないとか、ふりがなもちゃんと確認するシステムとか、そういったマニュアルを作ってデバッギングをやって、99.99%うまく行くという保証をつけて初めて「システムが完成した」ということで納入するわけです。ということは、NTTデータはその常識を何もやってなかったということでしょう。お役所仕事(NTTですから)の典型です。おそらく大枠のシステムだけを作って、丸渡しをしてあるのではないでしょうか。そんなひどい仕事をした所も訴訟されるべきです。耐震強度の偽装をした設計士も刑務所に行ったわけですから、当然の話です。しかし、今度また名寄せのシステムの発注をNTTデータに出すという。社保庁はどんな神経をしているのでしょうか?

    年金基金が抱える不良債権は「数十兆円」規模

     いずれにしろ、今回の年金記録が宙に浮いた事件を解決するには、理論的には新たに数兆円規模のお金が出ていくことになると思います。しかし、今の年金制度はその後ろに数十兆円規模の問題を抱えている。それは年金資金の運用実態の問題です。

     年金というのは、国民年金と厚生年金と共済年金を合わせておそらく100〜200兆円のお金を国が集めて、それを財務省の運用部が運用しているわけです。運用先のほとんどは、国債を買うか、あるいは公団や公社への融資です。それで年金資金を運用して、運用益で年金システムを維持している。ところが、その運用先の公団、公社のほとんどが、ビジネス的に見るとすでに破綻している。そこが問題なのです。道路公団や住宅公団をはじめとする公団、公社のおそらく8割くらいが財務的に破綻している(住宅公団や瀬戸大橋公団が破綻してないと言う人はいないでしょう)。運用先がつぶれたら、貸し付けたお金は焦げ付きます。そうしてみると、実際のところおそらく年金資金運用先の3分の1くらい、数十兆円は焦げ付いているのではないかと思われます。これが、年金問題が抱える「数十兆円規模」の問題です。

     ビジネスで言うと、この数十兆円は不良債権で「返ってこないお金、失われたお金」です。これはもう、年金財政自体が破綻していると言うしかない。しかし国がその実態をオープンにしていないため、私たちはフタをされて何もわからない状態なのです。従って、国は今どれだけの年金資金をどこに運用しているのかと、運用先の財務状態をオープンにしないといけない。それがビジネスの基本的ルールです。例えば投資信託をやると、投資した人には毎年必ず運用先の実績が送られてきますが、それは民間では「とにかく私に任せてください」という一任勘定が禁止された違法行為だからです。つまり、お金を出している国民に年金の運用先をオープンにせず、「国を信用して任せてくれ」という現状は、国が違法行為をやっているのと同じなのです。何も知らない無知な国会議員たちは、官僚から教わった通り「皆さんのから集めた年金資金は全部あります。ちゃんと運用しています。だからつぶれることはありません。安心してください」と言い張っていますが、「ではそのお金を出してみろ」と言えば、出せるはずがありません。100兆円、200兆円という年金資金(皆さんの納めたお金)はすべて運用しているので、そこに現金はない。しかもその融資先の公団はほとんど破綻している。その実態を一度オープンにすれば、たぶん目の玉が飛び出るような話になっていると思います。

     では、融資先の公団が破綻し年金財政も破綻しているのになぜ年金が支払われ続けているのか? それは、年金も公団も一応国が運営していて、いわば全て税金で穴埋めしているからです。要するに破綻しているけれども税金投入でごまかして、形だけつぶれてないように見せているのです。お金の流れを、わかりやすく整理してみると、まず国(年金基金)が私たちから年金を集める。年金基金はそれを公団に融資する。公団は利子を付けて年金基金に返済するが、破綻していて返済能力がないので、国が公団に税金を投入して返済をさせる…というサイクルです。それでやっと年金資金は維持され、高齢者への年金の支払いが行われているというわけです。これは、正常なら私たちが納めた年金資金だけで年金制度が回っていくはずなのに、さらに公団経由で税金を使わないと回って行かなくなっているということです。その税金は私たちが払っている。お気づきでしょうか? これは年金をダブルで納めているのと同じことになりませんか? あるいは、タコが自分の足を食べているのと同じです。しかもその足はもうすでに6本くらい食べてしまっている。多くの国民はそれに気づいていないだけなのです。「役人に我々の100兆円を超すお金の運用をさせてはいけない!」この仕掛けをどこかで作り出す必要があるのです。

    根本的に解決するには「数百兆円」かかる

     年金に関する問題としては、かつてグリーンピアで数千億円をドブに捨ててもめましたが、今度の年金記録の問題は数兆円規模、その後ろにある不良債権にフタをしている問題は数十兆円規模のコストがかかる話だと申し上げました。そして最後に「ではどうすればいいのか?」を考えると、数百兆円規模の話が出てくるのです。

     日本の年金制度は、若い世代が払った年金を高齢者世代が使うという「賦課方式」でやっています。しかし、高齢者が増えて若い人が減り経済が大きく成長しないという時代になると、この方式が絶対回らないことは誰が考えてもわかります。だから若い人は年金に参加しなくなるのです。つまり年金制度の根本的な問題を解決するためには、賦課方式をやめて、自分の掛けた年金を自分が受け取る自己責任型(できれば積立方式)にするしかないというのが私の意見です。賦課方式を自己責任方式に移行するためには、今支給されている年金額をある日突然減(増)額するわけにはいきません。つまり、今もらっている人たちには今まで通り、死ぬまで"旧"の年金を支給する必要があります。それにかかるお金が、一説によると400〜500兆円かかると言われています。これも国がデータをオープンにしないから推定値ですが…。すなわち、根本的に「破綻しない年金制度」を実現するには「数百兆円」のコストがかかるのです。これは、我々がバカな政治家たちを選んだ「ツケ」が回ってきたと考えるべきでしょう。従って、このツケは我々が消費税を10%にあげてでも我慢して払うべきだ、というのが以前からの私の主張です(「Q&A-BOOK」VのQ6参照)。

     まとめますと、今の年金制度をきちんと整理しようと思えば、たちまちの5000万件の「数兆円」の話と、不良債権の「数十兆円」の話と、賦課方式から積立方式に切り替える「数百兆円」の話の3つをやらない限り、根本的な解決にはならないというのが私の意見です。この3つの解決策に加えて、これまで私が幾度も提案してきている年金政策=「日本の風土に合った"自分の親は自分で養う"という原点に帰ろう」という私の政策を採用すれば、前述の役人に大金の運用を任せるというリスクを小さくして、しかも若い人も納得して納付する年金システムが実現可能となります(「Q&A-BOOK」VのQ6参照)。

     私はこうすればよいと思います。具体的には、この3つの解決策を一括して国民に提示をする。つまり、まず5000万件のミスと不良債権の話は全部オープンにして「ごめんなさい、我慢してください」と言う。次に「賦課方式をやめて積立方式にします。積立は自動車の強制保険みたいなもので、最低限の国の年金(おそらく今の3分の1くらいでしょう)だけにします。あとは掛けたい人は民間の保険で自由に年金を掛けてください」という話にする。これはすなわち、基本的に子供が親を養うという昔(といってもわずか50年くらい前)の日本の姿に近くなります。「今まで年金で払っていた分で自分の親を養ってください」と言うのです。

     すると、未来が見えてくるのではありませんか? 自分で掛けたお金は自分に返ってくる。豊かな老後を送ろうと思えば、自分で稼ぐか、自分の老後を養ってくれる子どもをしっかりと育てないといけなくなる。教育も変わってくる。子どもを作らないと大変なことになるから、少子化も解消される。そこまでビジョンを発表して、内閣総辞職あるいは解散総選挙で国民に信を問えばいいのです。それなら私はおそらく信任投票すると思います。併せて、当然のことながら今回の事件については国家公務員法を改正して公務員をクビにできるようにして、関わった公務員を全員クビにする。関わった国会議員も労働組合の責任者も全員辞職する。罪に問われれば刑務所に送る。そこまでやれば、議員も公務員もみんな懲りるだろうし、我々も「それなら少し我慢しようか」となるのではないでしょうか? 現状もオープンにせず、将来のあるべき姿(ビジョン)も語らず、ひたすら「任せてください。必ず解決して見せます」と叫び続ける無能な政治家たち…しかし彼らを選び続けたのは誰か? 皆さん一度ゆっくりと考えてみることを勧めます。