【267】 日本人のノーベル賞獲得方法とiPS細胞の将来性(2012年11月20日) (市川市 匿名希望、kiyota)
2012年10月9日に、ノーベル医学・生理学賞を山中伸弥京都大学教授が受賞されました。私は、日本のマスコミが日本人として19人目と何の疑問も持たずに報道し、日本の文科省も話していることに違和感を感じました。理由は、1986年だったと思いますが、ゴルバチョフが、「米国は、科学をリードしていると主張するが、もともとは、ソ連や東欧からの亡命した研究者だ。従って、米国の実力は、本物でない」と主張していたことが頭をよぎったからです。今まで日本国籍の研究者で日本の医師免許を持ち、日本の教育または、研究機関所属でノーベル医学・生理学賞を受賞したことは、私の記憶にある限りないと思います(明治時代に北里柴三郎が、ドイツ留学中にフォン・ベーリングと共に第1回のノーベル医学・生理学賞を受賞するところ、フォン・ベーリングだけの受賞になったとされている)。また、87年に利根川進(当時)MIT教授がノーベル医学・生理学賞を受賞しましたが、それは、MITの教授としてであって、日本の教育、研究機関でないと思います。私は、教育界も国際化し、物理学はMIT、医学部はジョンズ・ホプキンス大学、ハーバード大学、シカゴ大学などが、日本で自由に学校を開講し、日本人相手に教育ができるような制度改革が必要と思います。最後に、ノーベル賞の数というのは、所属している教育機関または、民間を含めた研究機関としてカウントされるべきなのでしょうか、それとも、研究者の有する国籍の国としてカウントされるべきなのでしょうか。ご意見をお願いいたします。(市川市 匿名希望)
日本の製造業の不振が顕著になってきました。一方、山中教授の発明したIPS細胞をもとに臨床応用、病態解明、創薬への応用などにより日本が世界をリードするような大きな産業を作り出すことができる可能性が十分にあるのではないでしょうか? 都村先生は(1)iPSの分野が日本の成長産業となる可能性、(2)そのためには、国、大学、そして企業は何をしなければならないのか? に関し、どのようにに考えられますでしょうか? 過去のQ&Aで軍事産業のすそ野の広さに関しコメントされておられましたが、iPSの広がりとしても無限の可能性を感じます。いかがでしょうか?(kiyota)
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