【296】 日本の大学行政はどうあるべきか(2013年8月20日) (大阪府 私立大学職員)
行政は大学運営にどこまで関わるべきか? について質問します。今、日本の大学は国公立が約160校、私立が約600校くらいありますが、その全ての大学や学部学科等の新設についての許認可権は文部科学省が握っています。また、国公立大学はその運営費の大半が行政からの補助金や交付金であり、私立大学もほぼ全てが行政からの補助金(総収入の10〜20%前後だと思いますが)をもらっていて、お金の部分も全て、文部科学省が何らかのヒモを握っています。しかし、こういう構造が、果たして日本の大学行政のあるべき姿なのでしょうか?
例えば、文科省が大学統治から手を引いて全ての大学を自由競争させれば、よく言われる「大学の粗製乱造」があっても市場がちゃんと淘汰してくれて、健全な競争の元で大学の質の向上が期待できると思いますので、基本的にはそちらの方向が正しいのではないかと思います。しかし、その時に「全ての大学の授業料が私立並みに高くなる」「国の補助金で行われている研究開発に支障が出てくる」等の問題が出て来ます。それらを解決するために、奨学金制度や研究開発に関する補助金だけ行政が担当すればよいのか? あるいはそれらも民間大学の自己責任でやるべきなのか? 世界の先進国でも公立大学と私立大学が混在していて、すべてが私立で自由競争でやっている国はおそらくありません。都村さんのお考えをお聞かせいただければ幸いです。
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