【285】 一票の格差を考える(2013年5月1日) (神戸市 政治学専攻学生)
「一票の格差」について質問します。近年、選挙のたびに「一票の格差」が問題になっていますが、昨年12月の衆院選で高知と千葉の間で2.42倍の格差が付いたのを受けて、2つの弁護士グループが全国14の高等裁判所と支部に16の訴訟を起こしました。その結果、「違憲状態」という判決が2件、それより厳しい「違憲」という判決が12件(いずれも「事情判決」として選挙自体は有効とする)、さらに厳しい「違憲かつ選挙は無効」という判決が2件も出て、国会では今、「0増5減(実現すると格差は1.998倍になる)」だとか「21増21減(同1.6倍程度)」だとか、選挙の区割りの修正を迫られています。しかし、よく考えてみると、いずれも格差は少しは改善されるものの、絶対に「平等」にはならない。要するに「気休め」に過ぎないのではないかと思うのです。私も最初、都村さんが『日本変身(ダイヤモンド社)』の中で書かれていたように「例えば人口100万人につき国会議員何人、とか決めれば一番シンプルに平等じゃないか」と思っていたのですが、これも100万人と200万人の境目で絶対に2倍近い格差が付くし・・・と考えていると、この「一票の格差をなくする」という目的について、有効な解はないのではないか? という気がしてきました。これについて、都村さんの解はどういうものか、ぜひご教示ください。
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